♠ひとり言【じじぶつぶつ】2005

2005年10月18日 (火)

♠はなすすき【じじぶつぶつ】秋霖

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        ◆秋霖や洗いざらいの読書かな 
        ◆強がって日暮れ寂びしき花芒(はなすすき)  与里
    
 秋は雨の多い季節である。しかもその雨は日毎に冷たくなる。そして人に物寂しさや悲しさを誘う。秋霖(秋雨、秋黴雨=あきついり)とは、そうした秋の長雨のこと。何日も降り続いて陰気な気分になってしまう。
(「現代歳時記」成星出版)

 今日で南関東は四日続きの雨である。そして予報は明日・明後日も又の雨模様を告げている。気温も日毎に下がって来て、街行く人々の表情も服装もすっかり「秋深し」と言った風情である。これぞ正に歳時記に言う「秋霖」なのであろう。

 時あたかも、天候に呼応するかのように東京株式市場では日経平均株価が5日続落、円相場も続落して‘03年9月以来の円安・ドル高水準となった。昨日の小泉の靖国参拝が巻き起こすだろう国際的な懸念と併せて、何か只ならぬ不穏な気配も漂うようである。

’05.10.18.pm  頼秀

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2005年9月13日 (火)

♠青天井【じじぶつぶつ】コントラスト

05072_041_3_3  『小泉さんは「自分は死んでもいい」と言って、悪い人達を切ったでしょう。カッコいい!』と、初めて投票所に行った若者達。今度の衆議院総選挙は多くの浮動票が動き、小選挙区制の定着化が進んだ結果とはいえ、小泉自民党のこれ程までの一方的な勝利は私には予想外のことであった。

 善悪、好悪は別として、より迅速な意思決定手法の政治への導入という点では歴史的な転換点であったのではないかと思う。21世紀に入って日本でも浸透急な世界標準と呼ばれる「ルール至上の自由・市場・資本主義経済」がもたらす競争による容赦ない「優勝劣敗」は、企業統治と意思決定のより迅速・効率的な仕組みへの変革を既に課している。

 鎖国江戸の農村で競争よりも和を尊ぶ政治風土で育まれた根回しと妥協による全会一致型の政治手法は事前に合意することで誰もが責任を負わないで済む決定をし、また人情や事情の機微を汲み取って執行することで仲間内に遺恨を残さないというものであった。
 
 そして地域、族、閥の人情(顔)・事情(腹)を熟知し、根回し・談合・妥協の手法を駆使できる専門家として所属を裏切らない政治家が代々育てられて来た。しかし、この国の政治風土は明らかに変化が起きたようである。190数カ国が地球上にひしめき、通信・交通手段の発達で総国家間競争時代ともいえる今日では、国家の統治経営に当っては効率的で迅速な意思決定手法の導入は必然のものとなったようだ。

 小泉氏の標榜するのが“特定の政治勢力に左右されない政治”や“大統領的内閣総理大臣”だとしても、彼が今度の選挙で採った「郵政民営化に賛成か、反対か」とそれだけを問う戦術は、どうせ理解できないだろう政策論より分かりやすければいいと高をくくっていると思う。大げさな見出しで客を釣る一部の週刊誌や夕刊紙と同じ手法を選挙に持ち込んだ訳で、選挙民が見くびられた様で不快であり、衆愚政治の臭いも漂う。
  
 街々から子供達を連れ去る“ハーメルンの笛吹き男”、“今後の世論”、そして私物化されたとも言える自民党は何処へ向うと言うのだろうと一抹の不安を感じているのは私ばかりではなかろう。しかしより高い観点から俯瞰すれば小選挙区制も機能したし、エポックメーキングな結果であったことに変わりなく、日本の政治がより柔軟に時代の課題に対応できる仕組みを持とうとする新たな第一歩を踏み出したものと理解した所である。

 余談であるが、「白か黒か」を大っぴらに迫る今回の小泉氏の手法は湿潤・豊穣で多神教の農民の国には馴染は無く、農業に不向きな乾燥地帯の遊牧民の中から起こったユダヤ教やキリスト教そして「剣かコーランか」のイスラム教などの一神教の世界に顕著な対決手法である。ここ数年の経験に過ぎないが、この夏のヨーロッパへの旅でその乾燥気候の晴天が作る中庸を赦さない明解な陰陽に触れたことで、其々の文化・文明の性(さが)がその発生の地に拠って起つ宿命を実感した。

◆写真は、ポルトガルはバターリアのサンタマリア修道院の未完の礼拝堂の青天井(虚空)
 
’05.09.13.PM 屁眠狗雨詠

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2005年8月11日 (木)

♠麻生川【じじぶつぶつ】屁糞蔓

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◆芙蓉、槿、百日紅の派手やかなるもひっそりと木陰這い咲く屁糞蔓(かずら)を君知るや 与里  
 先の8月7日、立秋の日曜日は長年の習慣で朝8:00からのTV読書番組の週間ブックレビュー、午後13:00から始まる囲碁番組を見ることにしているため、朝食前に近所の小川沿いの散歩を済ませたが、そこで今年もまた見付けてしまったのが添付写真の “ヘクソカズラ” というわけであります。

◆皀莢に延ひおほとれる屎蔓絶ゆることなく宮仕へせむ  高宮 王   

 これは万葉集の高宮 王(たかみやのおおきみ)の今で言う“ごますり歌”または“リストラ予防歌”と言ったものでありましょうが、ここに出てくる屎蔓(万葉の頃はクソカズラと呼ばれていたが後に屁が付け加えられた)は人の関心を引かない所、従って久しく人手の入らない半日陰の藪で他の自立する植物にからみ、まとわり付いて、目立たず、ひっそりと生息する小型のつる草であるが、一旦葉や花が傷つけられると、その名のゆかりの悪臭を発散して抵抗する小なりといえども“五分の魂”の持ち主でもある。

※1.皀莢:かはらふじ(皀に草冠が付くのが正字←PCに無い)。※2.延ひ:這い。※3.おほとれる:乱れ広がっている。※4.屎蔓:屁糞蔓、早乙女花、やいと花、アカネ科のつる性多年草、花は1cm程の漏斗形で秋に黄褐色の実を付け、日本全土、朝鮮、中国、フィリピンなどに分布する。

 人里に普通に生息する植物で、その気になって探せばありふれた近所の藪に見付かるものだが、普段は他の草花や季節の事象に目を奪われるのかその存在に気付くことはめったにない。こちらの気持ちが高揚してもいず、また落ち込んでもいない極々中庸で平穏な心境下での散歩の途上などで気付くことがある草花で、見付けたからといって特別な感慨を生じさせない所がこの植物の真骨頂であり、また生き永らえて来た秘訣(藪隠れの術)なのであろう。

 明くる8月8日、月曜日は涼しいうちにと朝食もそこそこに例により “おっ越し山” 方面への遠出の散歩を済ませて高校野球を見ながらの昼食の後は、かねて予定のTV参議院国会中継~シャトルのコロンビア帰還実況中継(CNN)見て夕食という心算でありました。 しかし、シャトルが着陸地フロリダの悪天候で帰還延期となったこともあって、参議院での郵政民営化六法案の否決騒ぎからその後の衆議院解散への政局絡みの政変劇の一部始終を終日見聞きすることとなってしまった。こんなことはフル勤務時代には無かった経験で、取分け採決時の記名投票に向う議員諸氏
其々の立場をにおわせる表情・素振りには大変に興味深いものがあった。

 立秋を過ぎたとはいえ、まだ暑く、夏休みの只中にある。日は真上にまで来ていて暑いのだが、曇天のために、焼け付くようなじりじりとした暑さはでは無く、風はそよとも吹かず、高温多湿で、じっとしていても汗がにじむ様な気象を“油照り”といい、この夏は太平洋高気圧が弱くこの“油照り”の日が多いようである。動植物も人の世も取分け不順で剣呑なこの夏を乗り切って、清々しくすっきりと晴れた秋の日を早晩迎えたいものである。                              

’05.08.11.PM  痴恵歩夫 

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2005年4月 5日 (火)

♠日本の主要都市【じじぶつぶつ】都市間競争

050331_001_2  先月23日に‘05年1月1日現在の全国公示地価が国土交通省から発表された。それによると、全国の平均(全用途)はマイナス5%と14年連続の下落ながら、都心5区の商業・住宅地が上昇、大阪圏、名古屋圏で上昇地点が増えるなど三大都市圏で上昇局面入りが鮮明化し、地方圏では7,8年振りに下落幅が縮小、下げ止まりの兆しが出て来たようだ。

 今回の公示地価の特徴は地価上昇地点の箇所数と上昇幅のアップが面へと拡がっていないことで、上昇地点の周辺で下落が見られるなど同一エリア内で格差が出てきたことであります。その好例が地価上昇顕著な都心5区内に在りながら、前年比5.1%減で都内区部下落率ランキング3位に入ってしまった新宿歌舞伎町。因みに下落率1位は築地(5.5%減)、2位は日本橋兜町(5.4%減)であった。

 バブル崩壊以来ここまで、土地はその稼ぎ出すキャッシュフロー(生産性)に見合う価格で取引され、それを反映する公示価格が実際の土地取引でも尊重されて来たが、此処に来て人気地域(銀座、秋葉原、六本木など)ではこれを何倍も上回る価格での取引事例が続出しており、昨年までは5%以上あった都オフィスビルの投資利回りは一部で3%台も出始め、ミニバブルの様相を呈して来たとも言われる。(未だ高額対象地が点的で投資家も一般素人にまで拡がっておらず、玄人相場に留まっている?)

 不動産取引の過熱の背景は長引く低金利によるカネ余りであり、国内資金を集めるREIT(2兆円)や私募ファンド(2兆円~)に加えてサヤ取り狙いの海外資金が不動産の新たな買い手として台頭しており、物件取得競争の激しさはバブル期に劣らず「首都圏を食い尽くしたマネーが新幹線に乗って西へ西へとじゃぶじゃぶ流れている(大林組の大林剛郎会長)」という。(3/22日経産業紙)

 では、マネーがジャブジャブと流れて行った先の様子は如何か?先に発表された大手業者による「主要15都市のオフィス市場動向調査」を元に私がランキング付けした結果は下記の通りである。

’02、3、4年のビル空室率の推移%と’04年の新規需要面積千坪(シェア%)

①都心5区 6.1%(↑)/7.0%(↑)/*5.7%(↓)/222千坪(56.1%)
②東京区部 6.1%(↑)/6.9%(↑)/*6.0%(↓)/260千坪(65.6%)
③横浜       8.2%(↑)/8.9%(↑)/*6.6%(↓)/13千坪( 3.3%)
④名古屋   8.2%(↑)/8.7%(↑)/*8.2%(↓)/11千坪( 2.8%)
⑤大阪   10.4%(↑)/10.6%(↑)/*9.5%(↓)/66千坪(16.6%)

⑥札幌  9.0%(↑)/11.8%(↑)/ 9.6%(↓)/15千坪( 3.7%)
⑦福岡 11.4%(↑)/11.9%(↑)*10.8%(↓)/12千坪( 3.0%)
⑧京都 13.6%(↑)/13.7%(↑)*11.0%(↓)/ 9千坪( 2.3%)
⑨仙台 11.6%(↑)/12.7%(↑)*11.5%(↓)/ 6千坪( 1.5%)
⑩広島 10.8%(↑)/13.1%(↑)/ 13.3%(↓)/ 1千坪( 0.2%)

⑪岡山 13.2%(↑)/13.4%(↑)/13.8%(↓)/0千坪( 0.0%)
⑫高松 14.3%(↑)/19.5%(↑)/17.8%(↓)/4千坪( 1.0%)
⑬神戸 17.2%(↑)/17.2%(↑)/17.8%(↑)/0千坪( 0.0%)
⑭金沢 16.6%(↑)/18.3%(↑)/20.3%(↑)/0千坪( 0.0%)
⑮新潟 18.9%(↑)/20.6%(↑)/20.8%(↑) -1千坪(-0.2%)

*印:空室率は概ね’00を底に悪化上昇しており’04年に反転下降が始まるが、その内二年前(’02年)の水準以下にまで下降したものを示す

 オフィス需要は企業の先行き景況感を良く表す指標の一つであり、この結果は現在の地域の景況・競争力を表現していると思われる。三大都市圏で新規総需要の約九割(88.3%)を取り込み、東京23区だけでシェアー65.6%、更に都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)で五割以上(56.1%)を占めて
しまうこの国の在り様はやはり異様であると言うべきなのか。

 それにしても、公示地価の商業地上昇率ランキング1~7位までを独占、十番までに八地点が入り、オフィス空室率でも首都圏に続く高ランクを獲得した名古屋地区の安定成長振りは目を引くものがある。トヨタ、イチロー、落合ドラゴンズ、アイス・スケートの安藤美姫、中部国際空港セントレア、愛・地球博、そして先の日曜日の愛工大名電と、名古屋の絶え間ないトピックスの提供とヒーローの輩出とはその溢れんばかりの地域活力を誇示しているようである。

 一見、バブルの再来と思われるような人気土地への思い切った高値投資の一方でその周辺であっても一顧だにされない土地の存在。先にも紹介した日経産業消費研の繁華街人気調査「行くようになった繁華街と行かないようになった繁華街」の結果や今度の公示地価、オフィス調査の示すよりドライな評価への移行を伴うこの所の都市・地域間競争の激化は現在の日本の世相を映して「容赦無き優勝劣敗」を正に地で行くもので、この傾向は益々助長されることだろう。

◆写真は陽が高くなり早朝ウオーキングの濠端にも朝日が射すようになった、しだれ柳の芽吹きも始まった日比谷濠の穏やかな朝。

’05.04.05.PM  浪漫老翁乱

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2005年1月 1日 (土)

♠頌春【じじぶつぶつ】書斎机

0504020_009_2_2050520_034_2_2_2_122Photo_48 ※写真はクリックすると拡大できます

明けましておめでとうございます。
 大晦日の南関東はこの冬2度目の雪。昼前からぼたん雪が降り始めて3時間ほどでみぞれ~雨に変わったが、一時の降り振りは激しく我が家周辺では4,5cmほども積もった。夜のTVニュースによれば東京での雪の大晦日は21年振りということであった。 

 珍しく雪に降込められ大晦日は心機一転、拙宅のささやかな書斎の整理整頓に取      組むことにした。というのもそれまで1台だった書斎机を暮も押し詰まってから私と妻の分と合わせて2台を新調したのですが、新しい主役の据付で迷い手間取って模様替えやら整理やらが後回しになっていたものだ。 

 書斎机は14、5年前に我家を買ってそれ迄の社宅住まいから移った時以来、長年使っていた食堂テーブルを書斎机に転用していたもので木製で出来が良く、机面も広く妻と共用してそれなりに重宝していたものである。 

 セミリタイア(三勤四遊)して以降は私が書斎を使うことが多くなり、身の回りに置きたいものも増え、そのテーブルとPC机だけでは二人で使うには狭いということで、妻の机を新調するついでにテーブルも書斎机に替えて新調することにした。

 新調した書斎机は、本当はもう少し大きなものが望みだったが拙宅のささやかな書斎では窮屈ということで諦めて、幅120×奥行70cmのやはり木製で専用のチェストとワゴンを備えたもの2台にしたが、機能的で、他の木製の家具との釣合いも好く満足できるものであった。 

 自分専用の机を新調するのは大人でも嬉しいもので妻も私も物を納めて眺めたり、擦ったり、座り心地を確かめたりと中々整理に手がつかず、又、いざ取り掛かっても、本や書類の整理作業そのものも結構楽しくて、途中で読み耽ったりしてしまうこととなる。 

 そんな訳で整理作業は新年へ持ち越しとなり、一転して晴天となった元旦は初御空のもと雪化粧の丹沢山塊の上に覗いた初富士を眺める書斎の窓際の我が机に向かって引き籠る一日となった。今は、富士に沈む夕日が久々に澄み切った空と雲に映えてとても奇麗である。 

◆ところで“年末ジャンボ宝くじ”当りましたかな? 私めは、早々と11月中旬からウオーミングアップを開始、狙いを定めて購入し本格的にイメトレすること1ヶ月。購入した宝くじ券供には「買ってやった恩を決して忘れない様に」、そして自身には「当った時の心構えを」昼夜をあげて言い聞かせてきたのですがそのかいもなく、誠に遺憾ながら今回の勝利は適わずじまいであった。

 しかし、しかしですぞ!あの「トヨタ、イチロー、ドラゴンズ、新空港、万博そして先の路線価値上がり地点NO.1」に象徴される経済隆盛の名古屋への出張の際に購入した10枚から年末ラッキー賞の1万円が当って元本割れを防げたことはやはり多少とも霊験あらたか、流石といえましょう。

 拙句は今回の宝くじ当選へのイメトレで「当選時の記念の一句」として密かに準備していたものですが、用無き今となっては開陳することと致しましょう。

◆ふふ、うふふ、うふふふふふふ、初笑い   与里

写真は縁起ものの夫婦水鳥。左からハシヒロガモ、キンクロハジロ、コブハクチョウ、カルガモ。

‘05.01.01.PM. 頼秀

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