♣香林寺【近隣逍遥】山茶花の花
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本日は10月1日大安、衣替え。南関東は朝方から爽やかに晴れ上がり秋高く麗らかである。今日~明日開催の出身高等学校の卒業45周年記念同級旅行会の目的地、伊豆も快晴とのことで打って付けの日和となった。
高度成長期に差し掛かろうかという年代の卒業で、進学や就職で首都圏に出てそのまま居付いてしまった者も多く、母校の地に留まった卒業生との合同会は両地の中間点でやろうということになった。還暦直前に開催した前回から5年の歳月が経って、互いに公私共に何事もなかったという訳にはいかない年齢となっての再会である。
我が家からの丹沢山塊越しの富士もそろそろ霞み始めた。どれ、早やお昼でも摂って、ぼちぼち出掛けるとしよう。
◇写真は曼珠沙華、ホトトギス(淨慶寺)
’05.10.01 痴恵歩夫
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◆送りみち半夏生の雨にぬれ 与里
昨日7月2日は夏至から数えて11日目、七十二候のひとつ“半夏生”であった。太陽の黄経が100度となる日で、“半夏”という漢方薬がとれるカラスビシャク(烏柄杓)が生え出ることから作られた暦日である。またドクダミ科のハンゲショウもこの頃に花をつける。
農家にとっては大事な節目の日で、この日までに農作業を終えて、この日から5日間は休みとする地方もあり、この日は天から毒気が降るといわれ井戸に蓋をして毒気を防ぎ、この日採った野菜は食さないものとされた。何故かこの日には関西では蛸を、讃岐では饂飩を食べる習慣があるという。
その西日本を中心に4~6月は少雨が顕著であったという。平年比で福岡21%、高松23%、岡山26%、神戸33%、名古屋45%、水戸43%など西日本全体でも平均降水量は観測史上最少である。また西日本全体の6月の平均気温も高く、平年比で岡山2.5度高、福岡2.2度高など過去最高だった。
近年の癖で、私は月が変わる毎に手元の歳時記を開いて当節とそれを挟む前後の時節の季語に目を通すようにしており、身の回りに起こる万象観察の拠り所としている。しかし、この頃の気象の不順(温暖化)振りは急激で例外というには余りに頻繁でその変動幅も四季の範疇を踏み越しているようである。
そして、「折々の天候の変化や動植物の動静をとらえてその季節の象徴になぞらえて来た“伝統季語”は今日ではあまりにもそぐわないものになってしまった」と思っているのは私ばかりではあるまいか。
◇写真は湿地の道端でやっと見付けたハンゲショウ(半夏生、半化粧) の花、ドクダミ科の多年草で薬用(利尿、脚気)される。※別名カタシログサ(片白草)、シロドクダミ(熊本)、タンバクサ(長崎)
’05.07.03.PM. 痴恵歩夫
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◆下馬評や落花集めし神田川 与里
期末~期首に当ってのお定まりの行事にも未だ多少のお付き合いをしており、私事でも世話が掛かる様になった老母の様子を伝える長兄からの便りが頻繁となっては気心も落ち着かず、心身にいささかの疲れを覚えるこの頃である。
そのため土曜日は絶好のお花見日和にも拘らず人混みに出掛けるのも億劫になり終日蟄居。それでも急き立てる様な花見の報道に釣られて、日曜日には人混みを避けて早朝に花見を兼ねた遠出の散歩に出掛けた。
毎年お招きを受ける恩師宅での観桜の宴が今年は遅い開花で “花より団子の宴“ であったのはつい四月初旬の事、待ちに待って、冷え込みから一挙に開放されたこの一週間の植物達の急変化(へんげ)振りは圧倒的なものがあった。
お目当ての川沿いの桜は超満開、春風に散り始めたばかりの花吹雪が肌に心地好く、気付けば並木のこぶしは既に咲き疲れ、大通りのケヤキ並木の芽吹の萌黄色は浮立つような新緑に変わり、馬酔木(あしび)、レンギョウ、山椿、木蓮等の花々が里山を賑わして、道端や一寸した土手ではイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、スミレ、キランソウ、カキドオシ、タンポポ等々が今や花盛りである。
この春は例年に比べ花目の数がとてつもなく多く花そのものもとても大きい。それはスギ花粉の大発生と同様、去年の夏の猛暑と長い日照時間が育んだもので、例年に無い厳冬の冷え込みから開放された植物達のこの所の爆発的な一斉開花など圧倒的なパフォーマンスはその具現であろう。
この日の遠出も遠出の散歩の例に倣って “おっこし山“ 越えに贔屓の花寺、浄慶寺に立ち寄ったのだが “おっこし山” の山腹に拡がる境内の数種類の桜樹達は青空をバックに夫々が咲き誇ってここ一番の花見頃であった。
桜の花天蓋の下でしばし佇んでいた時、ふと誰かに見詰められている様な視線を感じて見返した先に、光沢のある濃緑の葉陰の中にひっそりと咲く春のツバキ、八重ならぬ、千重咲きの乙女椿の見事な一輪があった。
ツバキは日本自生の花木で、その語源は艶葉木(つやばき)と言い、万葉集にも歌われて、江戸時代には収集・栽培熱が一大ブーム化して、天保の末にその園芸品種が中国を経由して西欧諸国に導入されたと言う。
フランスの小説デュマの椿姫(1848)はそうしたツバキブームの影響に乗った作品と言う。園芸品種には娼婦マルグリットを思わせる艶麗な花も有るようで、この日の乙女椿の一輪は何と!ベルディの歌曲「ああ、そは彼の人か」に打って付ではあるまいか。
’05.04.11.PM 痴恵歩夫
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今年2度目の遠出の散歩の行き先の花寺(浄慶寺)の裏山で、先週は見落としていた数本の水仙が咲いているのを見付けた。木陰に在って暮に積もった雪の被害を受けなかったものと見え、傷一つ無く、清楚で凛として、咲いたばかりの黄花は冬枯れの木立の中で明るく輝くようであった。
ヒガンバナ科スイセン属、地中海沿岸原産でシルクロードを経て唐代に中国へ、平安末期に日本に渡来したとされる。ニホンズイセンは彼岸花と同様の三倍体で種子が出来ず(私には解らない)、繁殖はもっぱら球根によるため変種の発生が無いのが特徴で原種に近いものという。
ヨーロッパはスイセンの本場で、ギリシャの美青年ナルキッソス(ナルシス)が泉の水面に映った己の姿に心を奪われて身を乗り出して水中に沈んで死んでしまった後に、その泉のほとりに咲いたのがスイセンの花だという神話がある。(因みにスイセンの学名はNarcissus)
スイセンは中国語でも水仙で、スイセンは湿気た所でも育つが水が不可欠なほど水と縁が深い訳でもなく、この漢名の由来にはギリシャ神話が影を落としているという説がある。又、中国では春節(正月)に咲く花で、気高さがあって寒中に春をさきがける花として珍重されているという。
◆写真は花寺(浄慶寺)の裏山の黄花水仙と帰り道の禅寺(修廣寺)の白梅。人気のない朝の本堂の影の中、肌を刺すような冷気に震えて一重の白梅花は逆光に透けて、真に清楚可憐な風情であった。
’05.01.24.PM. 痴恵歩夫
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◆紅梅や枝々は空奪ひ合ひ 鷹羽 狩行
それは、地元では“おっ越し山”と呼ばれている小高い里山の西斜面の山腹にある寺の境内に咲く寒紅梅で、冬の遅い朝陽が裏山の半分ほどを照らし始めた所にあって、日を欲しがるように天を向いて咲き出したばかりの八重唐梅。
暮れからこっちに掛けての一端の冬模様で罹った風邪を長引かせてしまい、大寒を遣り過してやっと小康を得て今年初めての遠出の散歩での贔屓の花寺への初参りである。
冬の陽がまだ地表に届かず朝露を含んで寒々とした境内一帯は暮れの降雪とその後数日の日陰での積雪の名残が植物達に刻印されていた。花時を目前にして押し潰され凍てた水仙の群落、傷付いた寒梅や蝋梅の蕾、花弁などなど・・花寺や新春無残なり。
この所の南関東の暖冬振りはもう一昔前から続いており慣れ性になってしまったのか、人も植物もこれしきの普通の冬の到来で参ってしまうとは困ったものである。
◇陽だまりで梅がほころぶ。外気はまだ肌を刺しても、もそこには、さきがけの春が光る。添付写真はやっと見付けたましな花・・・紅梅と蝋梅。
’05.01.22.PM. 痴恵歩夫
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