2010年1月 2日 (土)

◆ドゥブロブニク【Hats&aStick】伯爵夫人のオードブル

                       (ドゥブロブニク/クロアチア) 昼でも星が見えるといわれるクロアチアの蒼穹が急速に赤みを増し、海はよく熟したブドウ色にてらてらと薄皮を拡げる。ようやく沈み行く太陽を背に港都ドゥブロブニクは黒々とした巨大な塊となってあちこちに燈を点し始める。海面を吹き渡る風は心地好く、顧みれば石灰岩の山越しに白い満月が星々を従えて昇って来ようとしている。六年前の夏の終わりに泊まったホテルのバルコニーからの今もなお鮮やかに記憶する眺めである。  アドリア海は地中海とは一線を画した古代ギリシャ以来の独立した海洋文化・商業圏であり、ヴェネツィアやハプスブルグの海として一世を風靡して来た。それ故に洗練された海の食文化には今も素晴らしいものがある。 その旅で大変気に入り教わって帰ったオードブルのレシピがあるので明かしてみたい。 〈スズキのカルパッチョ・恋いのレシピ〉 1.生きの良い近海物のスズキの刺身(中薄 造り)を良質のオリーブオイル、自然塩、挽き立てのピンクペッパー、昆布茶少々とその夜のターゲットに合わせた貴方処方の惚れ薬を塗して冷蔵庫で三十~六十分馴染ませる。 2.十種類余の葉もの生野菜・香草に小口切りした青ネギ、玉ネギ、カイワレなどの薬味野菜を加えてよく混ぜ合わせ大振りの平皿に敷く。そこに先の刺身を盛り付けオリーブの実、ケッパー、フライドガーリック、ピンクペッパーの粒を散らして飾り付ける。 3.食卓では客の視線が集まるのを待って上等のバルサミコ(酸度六%前後)を振りかけ刺身と野菜を手際よく混ぜ合わせ銘々に取り分ける。 魚は天然ものであれば鯛でも好く、野菜類は日常あまり見掛けないものを加えるのがコツである。酒はよく冷やしたシャンパンが合う。序でながら昆布茶の添加(隠し味)は我が家秘伝であり貴方の惚れ薬ご同様お取り扱いは内々のことにて願う次第である。   完

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

♠謹賀新年【じじぶつぶつ】歳旦三題

(わが家からの富士) 睦み来て四十年なる屠蘇の膳  松ヶ枝高く展らく初富士 淑気満つ早ミニクーパーに乗りもして

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月 3日 (土)

◆ファド【 Hats & a Stick 】リスボン

※写真はクリックで拡大します ヨーロッパ大陸最西端の国ポルトガルは、同様に大西洋に面するアイルランド、仏ヴルターニュ半島等と共にヨーロッパ中心からの遠心力の働く位置に在る。歴史的にも次々と台頭する強者に追われた種族らが吹き溜まるように辿り着き、そこからまた新世界へと雄飛して行った辺境の地であった。   もう数年前のこととなるが、リスボンで Casa De Fado と呼ばれるレストランでファドをじっくり聴く機会を持ったことがある。男性の歌手が朗々と歌うカンツォーネ風なファドや若い女性歌手の恋のファドなどが続き、極めつけはやはり取りを務める初老の女性歌手の実に切々と歌う出稼ぎの夫を遠く偲ぶファドであった。 ファドには運命、宿命という意味があるといい、1820年代に生まれて19世紀の中頃までには民族歌謡として定着したようだ。また「大航海時代の帰らぬ船乗りたちを待つ女たちの歌」というファド起源説はサラザール独裁政権(1932~68)の文化政策による捏造であるという。 そのレストランで彼女のすこぶるつきの熱唱に私が感嘆のあまりに発したBrao!Bravo・Ole!の二声は如何せん遣り過ぎというものであった。彼の地の人はシャイな人が多いとは聴いてはいたが他に思い切りよく褒める客などもなく、最前列の席を占めていたとあっては彼女の関心を私が一身に請け合うこととなり、サイン入りのCDを有り難く購入するハメに陥ったのも必然か。楽屋での彼女の熱い接吻がおまけに付いたかどうかは想像にお任せする。 ホテルに帰ってから彼女がゴールド・ボイスと囃される下町NO.1の歌い手であると分かり我ながら得意になったことを思い出す。瓢箪から駒、いやワインの壺からクイーンとでも言うべきか。 そして今私は一杯のブランデーを友に件のファド歌手 Flora-Silva 嬢のCDを聴き、頬に幾分の熱りを感じながらこの拙文を書いている。

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月17日 (木)

◆シェイクスピアの墓碑銘 【Hats & a Stick】イングランド

※写真はクリックで拡大します 「ヒトゴロシ・イロイロ」1564年に生まれ1616年に死んだ詩人、劇作家、役者、劇団株主、地方の名士・・・、あのウィリアム・シェイクスピアの生地はイングランド中部のストラットフォード・アポン・エイヴォンである。  私は未だ勤めていた数年前に遅い夏休みを利用して、「ピーターラビット」の作者ポターや詩人ワーズワースが住んだ湖畔地方とE・ブロンテのハワース村等のあるイングランドの北部経由でその田舎町を訪ねたことがある。  エイヴォン河沿いにある聖トリニティ教会はこれと言って特徴のない小さな教会であった。私は内部に入り祭壇の手前に安置されたシェイクスピアの墓の前に立った。 砂岩の棺の蓋には彼が彫らせたという墓碑銘が窺える。傍らの拓本掲示板の文字は、 Good friend for jesus sake forbeare, to digg the dust enclosed heare. Blest be the man that spares these stones, and curst be he that moves my bone. 「よき友よここに葬られし亡骸掘ることイエスのためにお控え下され。この墓石守るものに祝福あれ、わが骨動かすものに呪いあれ」というもの。  喜劇、悲劇、史劇を数多くものしたシェイクスピア。彼の芝居の登場人物には王侯貴族から乞食まで、妖精から魔女まで、暴君から処女、娼婦、暗殺者、奴隷、農民、商人等ありとあらゆる人物が登場する。彼は長年の人間観察と研究で人間誰もが持っている〝どうしようもない性悪振り〟を熟知していた。  人々の喝采を浴びて名声を博していた彼は皮肉なことに死の床で人間不信を益々募らせて、迂闊にも他人を疑わんばかりの文言を自らの墓碑銘としてしまったのだ。  今迄彼を信じて支えてくれた観衆に向かって大団円で〝あかんべ〟をしたようなものである。私は遥々と遣って来て悪いものを見てしまったと言う気がした。  シェイクスピアが創造した言葉で今も使われている英語にWhat the dickens is it ?「一体全体何事だ」がある。   ※dickensはdevilの遠回し語

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 8日 (水)

♤西生田【定点観測】菫の花

 一昨年の夏に生業から身を引いいた後に、母、弟、義母、恩師、さらには懇意にしていた元同僚や友人たち数人を次々に亡くしたこと等で、ここ一両年は心穏やかならぬ儘に無沙汰をいたしておりましたが、時は春闌、新たな気持ちでぼつぼつと小文の掲載を再開したいと思います。どうぞ宜しく。                    記  リタイア後の“憧れ”無為徒食の生活にも直ぐに飽きて、聴いてみたい講座がそこにあったという理由で自宅近所のその大学のキャンパスに通うようになり一年余が経った。不祝儀などのため欠席も多かったのであるが、講義は中々に面白く、そのため講座数をあれこれと増やして新学期を迎えた。  また受講をきっかけに始めた俳句と短歌については其々に手近の結社にもお世話になっている。そんな訳で、そこそこに忙しく、また適当に刺激のある穏やかな(?)日々がようよう板についてきた処である。  俳句も短歌も未だ未だ見様見真似であるが、句友・歌友のどちらからも「そろそろ、どちらかに絞ったら!」と言われていて、何時まで両立出来るものなのかその目安も覚悟もない儘に、今少し、今少しと、ずるずると続けているのが現状である。  ただ、俳句や短歌を始めたことで森羅万象をよく観察してその微妙な変化にも心を寄せる様になった己に気付くこの頃である。  公開講座が行われているキャンパスは都心に本拠を構える大学が副キャンパスとして昭和9年に多摩丘陵の一角に開設したもので、多摩固有の自然がふんだんに残るその森は季節の折々に見事な様相を見せてくれる。それ故に、受講日のキャンパス散策は自然観察と運動を兼ねた楽しき慣いとなっている。 ◆逝春やキール飲む女カフェテラス       与里 (※白ワインにカシスのリキュールを加えたカクテル。澄赤色が美しい) ◆地下BARにアイリッシュ・ウイスキー飲む男「俺って渋いぜ」と春惜しみたり        頼彦 (※ウイスキー原型。スコッチの台頭などで現在は衰微) ◆写真は、キャンパスで見つけた菫の花(Viola mandshurica) ※多摩丘陵:多摩川の中・下流の南側から神奈川県北部にかけて広がる標高100~180mの丘陵。近年は住宅地として開発が進む。 ※拙句・拙歌に付いて諸先輩の方々のご批評・ご指南を頂ければ幸甚です。 09.04.08.浪漫老翁乱

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月15日 (日)

♣早春【近隣逍遥】末黒野

仏・ディジョンの市場の蜂蜜売り・・・この親爺から買った蜂蜜は中々に美味でしばらく我が家の朝食で活躍した。(写真はクリックで拡大します) ◇天と地と海ぼうぼうと春来たる ◇末黒野や中点に月緩みおり    すぐろの=焼野原 ◇堅香子の怺え咲きたり朝の月    かたかご   こら ◇波の穂にはや光るもの二月かな                                  与里 09.02.15 浪漫老翁乱

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月 8日 (日)

♤冬電車-2【定点観測】三次元マスク

仏・ナンシーの一本レール(ガイド)のトラム(写真はクリックで拡大します) ◇髭剃り髪梳き御握り食う男歯は磨かない朝の電車 ◇ヴァイオリン持つ少女見詰めたる少年の乗る上り電車 ◇教師がテスト採点する女性車両長刀の生徒も乗せて往く                                なぎなた ◇襟立ててアラフォーが乗る終電車立体マスクの眼の切れ長の ◇双子バギーの母子河馬さんのように欠伸する電車 春隣                                  頼彦 09.02.08 浪漫老翁乱

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月 6日 (金)

♣二月【近隣逍遥】堅香子の花

仏・オペルネのパン屋台(写真はクリックで拡大します) ◇泣きやみし双子のバギー枝垂れ梅 ◇大和路のステッキの女梅香る                      ひと ◇寒明けて朝富士の茫と聳えたり ◇新しきスニーカーで走る二月かな ◇堅香子にもう足音の遠のきし    かたかご=片栗(花)                              与里 09.02.06 浪漫老翁乱

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月25日 (日)

♤冬電車-1【定点観測】玉響の鬼面

ストラスブールのトラム(写真はクリックで拡大します) ◇窓に映る気取った奴も俺かよとわれ見直している初電車 ◇振袖と羽織袴がホームを走る衣擦れも裾風も今朝の春 ◇ステッキとリュックサックの媼らが乗ってくる電車四日かな ◇乗り遅れたる江戸褄の女が見せる玉響の鬼面 冬駅舎 ◇カーラーの娘の眉ひき紅さし睫毛たて俺見てにっと笑う冬電車               こ                                  頼彦 09.01.25   浪漫老翁乱

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月15日 (木)

♣去年今年【近隣逍遥】とんど焼き

◇松の先、甍の向こう、丹沢の上、雪嶺の富士に元日暮れり     頼彦 (写真はクリックで拡大します) ◇いやはての一夜のそよぎ初明り ◇今朝の春突兀(とっこつ)として摩天楼 ◇振り袖がドアノックする今日の春 ◇青銅のライオン寝まる三日かな ◇音楽と女に負ける寒土用 ◇三次元マスクの女の目切れ長 ◇少年がラッパ吹く村とんど焼く ◇冬深し残りのトランプ切り直す                            与里 2009.01.15 浪漫老翁乱

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 7日 (日)

♠さようなら【じじぶつぶつ】冬かくれんぼ

※写真は山茶花(香林寺)クリックで拡大 ◇早早とやって来た冬かくれんぼ隠れたままの君さようなら ◇いやいやと抗うように枯葉落ち静寂(しじま)する街いそぎ逝く友 ◇寂しきは語らず独り黙せよと多弁なるまま逝きし目黒よ ◇今何時?もうお昼です時計塔シティに君の耀よいしとき ◇体格に合わせて贈りし記念椅子腰掛けみれば亡き師おぼえり ◇おりふしは笑みし遺影に囚われりモガのまなざし一回忌の母 ◇義母(はは)逝きて半年(はんとせ)の過ぐ 三姉妹たむけし白百合の清けくて ◇弟の遺せし暦めくり来し師走こそ哀しけれ義妹(いもうと)よ ◇真夜中が記憶を揺する身の内に朽ちざらんものこそ愛しめよ ◇靴音のさざめき合いてゆく師走逝きし君影われに巣くえよ                                    頼彦 081207 浪漫老翁乱

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月23日 (日)

◆ロビン【Hats&aSticks】クロアチア

※写真はクリックで拡大します ◆冬鷗(かもめ)まだ陽をあびし老爺かな ◆晩鐘の鴨むつみおりセーヌ往く ◆襟立てる女だてらにジッポの火   ※トレンチ・コートと風防ライター('60年代、米製、GI用品) ◆夜という外套を着て翔(か)ける恋 ◆すき焼きのしらたきが好き十二月                            与里 081123 屁眠狗雨詠

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月16日 (日)

♠ひとり言【じじぶつぶつ】Moneymarkets

※写真はクリックで拡大します ◆檻に入れよとて市場原理主義すでに人喰いし後 It’s too Late ◆『未だはもう』恐怖と不安くりかえし金融危機とうもの沸騰す ◆『もうは未だ』毀損せしもの幾重にも滅ぶ定めか Moneymarkets ◆後鳴りのよみがえり来て落胆と気休めの中間(あわい)彷徨いたり ◆「私とは一個の他人です」冬鷗飛んで飛んで飛んで止みしとき ◆人の世のすさびあらぶるは常ならん蝶よ勝手に飛んでいなさい                               頼彦 081116  浪漫老翁乱

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月 2日 (日)

♣晩秋【近隣逍遥】浄慶寺

※写真はクリックで拡大します ◇露置いて囲碁打つ羅漢おわす寺 ◇宵灯り恥ずるがごとき帰り花 ◇昨日のような今日の来て枯蟷螂                              与里 081102 智恵歩夫

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月19日 (日)

♠ひとり言【じじぶつぶつ】エチュード

※写真はブレッド湖(スロベニア)。クリックで拡大します ◆サティ聴く「お喋り女」とボンボンといよよ明けし窓の月影 ◆媼の上熟れたる一つ石榴の実アルベロベッロを燕飛ぶ影   ※アルベロベッロ:円錐形の石屋根と白壁の続く南伊の小村 ◆通草の実「ほろり」と割れて性懲りもない僕と君とがいる朝 ◆昨夜の嘘ぶら下げており烏瓜黙しおりても済みにしものを                                           頼彦 081019 浪漫老翁乱

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月 5日 (日)

♣秋つれづれ【近隣逍遥】死人花

※写真はクリックで拡大します ◇妖しきは石榴韓藍(からあい)死人花 ◇翁忌や日ノ本の四時(しいじ)友として (※松尾芭蕉、1694.10.12) ◇ペガサスはまだ翔(かけ)たがり山頭火忌 (※種田山頭火1940.10.11) ◇鳴かぬのは芋虫蓑虫へひり虫 ◇厭わざる客の訪ね来て後の月 ◇ビオロンの溜息ひとつ檸檬(れもん)切る                          与里 081005痴恵歩夫

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月21日 (日)

♠秋【じじぶつぶつ】ぎくっり腰徒然

※写真はシチリア・パレルモの市場、クリックで拡大します ◆顔洗いぎっくり腰を発症すこれはテロルか魔女の一撃 ◆横臥せし日々長引きて不精髭いよいよ白きにわれは驚く ◆わが鏡影にカイゼル髭の祖父浮かぶいっそ伸ばさんや無精髭 ◆髭面の祖父憑依(ひょうい)せし鏡中に己が髭面手入れしてみる ◆決着を付けねばなるまいチョビどじょうカイゼル髭か明日は歌会 ◆バーバーチェアー拷問台なれば蓬髪も無精髭もぎくり腰ゆえ ◆蓬髪と無精髭とステッキのわがペガサスはまだ翔けたがり                               頼彦 080921 浪漫老翁乱

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 7日 (日)

◇薬師苑【一日行】処暑吟行

※写真はクリックで拡大します ◇これからは秘仏への道秋の蝶 ◇蝉残暑アブラミンミンつくつくし ◇咲き残る巨(おお)きカンナや峠道              与里                    この夏の猛暑の後に毎日のように襲ってきた豪雨禍も治まり一転して晴天に恵まれた九月初頭の一日、句友との吟行で町田市にある薬師池公園を訪ねました。  園内の道も草木も昨夜までの雷雨に未だ濡れそぼり、そこここに青々とした葉付き団栗が散っています。切り通しの崖は度重なる豪雨に洗われて研ぎ出された悠久の断層が滴る清水に朝の光を反射しています。  そして、忙しげに立ち働く園丁達があちこちと目に付き、行き交う蝶や蜻蛉、激しく鳴き競う蝉たちも、久方振りの晴天の秋を生き急ぐかのようです。  公園に到着して最初に巡った蓮池に一面繁茂した大賀ハスの葉とその上に突き出る未だ実をもった花殻の巨大振りに文字通り一同ビックリ仰天。  この時期は端境期のこととて、評判の梅、桜、藤、花菖蒲、アジサイ、蓮花、ツバキ、紅葉はおよそ見るべくもありません。  しかし、軒深く今日ここ一番の日陰作っている薬医門(古建築)脇から入る270種もの野草を集めたという万葉草花苑は句友の興味を大いに集めたようでした。 ◇吾がやどに韓藍蒔き生(あ)れし枯れぬれど懲りずまた蒔かんとぞ思ふ       山部宿赤人 ※万葉草花苑にある歌碑。 韓藍=からあい、ケイトウ(鶏頭)のこと                                                                                 移築展示の古民家や薬師池など昼食をは挟んでゆっくりと散策して、秘仏薬師如来がご本尊の薬師堂にお参りしてその足で七国山ファーマーズセンターでの句会に臨んだ。 ◇目をとじて佛とおなじ薫風裡    中村菊一郎 ※薬師堂の句碑   句会に入会して未だ10か月ほどで吟行初参加の小生であったが、やはり肝心の句作りの方はさっぱりであった。  それに付けても、途上のよく見なさい、発見しなさい、メモを取りなさいと主宰や句友諸先輩の適切なアドバイスのあったこと、折々でのそれとない互いの気配りや、神田明神下の老舗“みやび”の美味しい幕の内弁当の用意(予約)等々に、この世界の「充分に気を利かせた質の高い大人の付き合い」に感じ入った一日でありました。   080907  痴恵歩夫

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月10日 (日)

◆ローマ【Hats&aStick】Caffe Greco

※写真はクリックで拡大します ◇短夜やギョエテ潜みし Caffe Greco     与里 0806屁眠狗雨詠

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月27日 (日)

♠挽歌【じじぶつぶつ】義母・恩師

※写真はクリックで拡大します ◆朝に恩師夕べ義母逝く短夜の月わが上にも清かかりけり ◆畢生の理念(イデー)書き終えし夜明けなる「もっと酸素を」と恩師逝きけり ◆旅先のサンマリーノにて義母想う持ち堪えしとう消息 ◆炎帝の焼きし墳墓に遺骨(ほね)納む喪服の妻の足ギプス                                 頼彦 0806浪漫老翁乱

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月29日 (日)

◆ローマ【Hats&aStick】フォロローマ

※写真はクリックで拡大します ◆フォロロマーナ賑わいし昼芥子の花     与里 0806屁眠狗雨詠

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月15日 (日)

◆北イタリア【Hats&aStick】ヴェニス

※画像はクリックで拡大します ◆嫣然とヴェネチアンマスク夏の月    与里 08.06.15屁眠狗  雨詠

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月 1日 (日)

◆シチリア【Hats&aStick】チェファルー

※写真はチェハル(シチリア)。クリックで拡大します ◆気散じや誰はばからん春の海     与里 0706屁眠狗雨詠

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月27日 (日)

♠おとうと【じじぶつぶつ】挽歌

※写真は修廣寺(片平)の白梅。クリックで拡大します ◆人工呼吸器(レスピレーター)忙しげなるも脳死せし弟眠るがごと安らか ◆人生を回路ショートに頓死せし弟の骨拾う梅は咲き初む ◆彼の世にて叱られおらん亡き母を三月で追いし弟四十九日 ◆弟の愛でし鸚鵡を刻みたる新しき墓桜木の下                                頼彦 080427浪漫老翁乱

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«♣散歩【近隣逍遥】早春